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かわいらしい表紙、かわいらしいタイトル。

内容もかわいらしいと思ってとっついてはいけない。

角川文庫のタダでもらえる本の紹介の冊子を見て、気になったので買ってみました。


おもしろくて、あっという間に読んでしまいました。

いろいろと考えさせられる本です。
つまり、これといった結論がなく、良い悪いを主張してこない本。
そのくせいろんなことを感じたり、考えたり、読みながらしてしまいます。


小川洋子さんの「妊娠カレンダー」に続き、またしても妊娠絡みのお話。
しかも妊娠を必ずしもポジティブにとらえていない感じが、ちょっと似ている。「ピンク・バス」の方が少し前向きで、生きることへのエネルギー的なものを感じられたように思いました。


おなかに初めての命を宿す主人公サエコは、自分がなりたいキャラクター(不良、お嬢様、インテリなど)を見つけてはそれになりきり、都合の悪い過去の自分を記憶から追い出して生きてきた、そんな女性です。
このサエコは、一時はホームレスの浮浪者のような若者に惹かれて、自分もホームレス生活をしていたときがあるというからすさまじい。。住む家があるにも関わらず、自分の知らない世界が開けているかもしれないという思いのみで、それをやってしまうのです。

でもサエコは異常ではなく、誰でも似たような思いを抱えたことってあるんじゃないか、と思いました。

何か、いまの自分とはまったく違った別の人生が、突然目の前に開けるんじゃないかしら、という、少し他力本願な感じ。


いまの自分とはまったく違う自分に、いつかはなれるかも、という、あてのない期待。



…まあなんにせよ、おもしろい小説でした。一言で表すのは難しい、なんとも不思議な気分になる小説です。こういうの大好き(^-^)

とくにラストらへんの、現実と夢がごっちゃになるような感じがすごい。現実のはずなのに、現実からどんどん遠ざかっていくような……
タイトルにもなっている、素性のよくわからないピンクのバスも出てきます。


あとがきでは、ピンクのバスはホームレスを収容するためのバスみたいに書かれていましたが、私にはあまりそうは思えず、なにかこっちの世界の乗り物ではないような感じがしました。ピンクのバスは、見える人と見えない人がいるような描写もあった気もするし、このバスに乗り込む人は、現実世界からはみ出てしまった人、現実の世界で何かをしよう、変えようとすることを放棄してしまった人たちのように感じました。

ピンクのバスは何であるとは話の中では明確に書いていないので、ちがった見方もできるかもしれませんね。。



今までに読んだことのない、ジャンルでくくるのは難しいような、おもしろい小説でした。
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2010.08.27 | 読書 | Comment:0 | TrackBack:0
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